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「渋柿の大王」の名で愛される、庄内柿

 

晩秋に近づくにつれ市場に出回る
「庄内柿」という柿をご存じでしょうか。

庄内牛、庄内豚、庄内地鶏、庄内米。

「庄内」の名を冠した名物は色々あれど、
秋になると東北をはじめ、全国でもその名を耳にする「庄内柿」は
庄内に冬の足音を告げる特産品のひとつ。

正式な品種名は「平核無(ひらたねなし)」。

その名のとおり、平たく種のない庄内柿は、
もともとは強烈な「渋(しぶ)」が特徴の渋柿。

とはいえ、この「渋」を抜くことで
なめらかで緻密な甘い果肉になることから
「渋柿の大王」の名で愛されています。

庄内柿の誕生は今からさかのぼること130年程前。
鶴岡氏の鈴木重光氏が新潟の行商人から
数種の柿の苗木を購入して植えたところ、
一本だけ種なし柿が実ったことに由来します。
まさに、偶然から始まった幸運なブランド柿です。

庄内柿は種がないためお子様でも食べやすく
ジューシーでみずみずしい上に糖度も高いため、
果肉がシャリシャリと硬い状態でもおいしく召し上がれます。

もちろん、追熟すると果肉がトロリと変化し、
さらに甘みを増した贅沢な食感に。

果物の中ではトップクラスのビタミンC・Aを含む柿は、
一日に必要な量を1個で満たすとも言われ、カリウムや食物繊維も豊富。

寒さに向かうこの時季、
体調管理にぜひ採り入れたい健康フルーツです。

ちなみに、果肉の中や表面で
しばしば目にする黒い斑点は「ゴマ」と呼ばれ、
渋み成分のタンニンが変化し凝縮したもの。
甘くおいしい柿の証です。

食欲をそそる綺麗なオレンジ色は
そのままはもちろん、
サラダや和え物にしても彩り鮮やかな一品に。

12月下旬からは、さらに濃厚な甘味の干し柿も登場!
地酒やワインにも良く合う自慢の味わいを
ぜひ一度、ご賞味ください。