夏の温海川の風物詩、太公望とカジカガエル

当館目の前にある足湯「もっけ湯」から眺める夏の温海川

 

暑い日が続いていますが、皆様いかがお過ごしでしょうか。

温海川には今年もせせらぎの中にチラホラと
アユ釣りを楽しむ太公望たちの姿が見られるようになりました。

例年、アユ釣りの解禁は7/1から10/31まで。
大雨による川の水のにごりや水量次第では釣りができないため、
釣り人たちがのんびりと釣り糸を垂らす姿は
すこやかな川を象徴するあつみの夏の風物詩です。

そしてもうひとつ。
そんな景色に涼を添えるのが、カジカガエルの鳴き声。

カジカガエルは山地にある渓流、湖、またその周辺の森林、
また水質のキレイな川などに生息している体長5cm程のカエルです。

 

初夏から秋にかけ、ヒョロヒョロヒョロという
軽やかな鳴き声を奏でることでも古くから愛され、
和歌の世界では夏の季語にもなっています。

実はこのカジカガエル、レッドリストに載っている希少種で、
地域によっては絶滅危惧種・準絶滅危惧種に指定されています。

当館の目の前を流れる温海川はこの希少なカジカガエルの生息地です。
温泉街にある「かじか通り」の名前も、ここから名づけられています。

ちなみに、透き通ったきれいな声で鳴くのはすべてオス。
江戸時代には“河鹿籠”と呼ばれる専用のカゴで
夏の間、鈴虫のように飼育されていたそうです。

暑さが増すほどに、涼し気な鳴き声が一層際立つカジカガエル。

当館の目の前にある足湯“もっけ湯”や
川沿いのベンチでのんびりと太公望達の姿を眺めながら、
美声の持ち主とせせらぎが奏でる夏のハーモニーにそっと耳を澄ます、
そんなひとときもまた、風流かもしれません。